産業用蓄電池 使用方法の注意事項
産業用蓄電池 使用方法の注意事項
5.使用方法
・蓄電池を取り扱う場合は、事故防止のために熟練者又は経験者(蓄電池設備整備資格者など)の指示のもと作業を行ってください。
未熟練だけでの対応は間違いの原因になる恐れがあります。 |
2.運転・操作の制限・禁止事項
・充電の設定電圧は、指定の範囲内にあるようにしてください。 指定の範囲を外れると蓄電池の破損、容量低下および寿命短縮の原因になる恐れがあります。 |
3.予想される誤使用の禁止
安全確保のために次のことを必ずお守りください。
次のことを守らないと蓄電池の温度が上がったり蓄電池から水素ガスが発生して蓄電池の漏液、火災、爆発させる原因になる恐れがあります。
・蓄電池を火中に投入したり加熱しないでください。 ・蓄電池の+端子と-端子を逆にして充電しないでください。 ・蓄電池の種類、銘柄、新旧異なるものを混ぜて使用しないでください。 ・蓄電池に強い衝撃を与えたり、投げつけたりしないでください。 |
4.放電
蓄電池を放電する場合は、次のことを守ってください。
・蓄電池の放電電流は、取扱説明書または仕様書に記載されている最大値を超えないようにしてください。 最大電流値を超えて放電すると蓄電池の漏液、火災、爆発の原因になる恐れがあります。 |
最大許容放電電流値を超えて放電しますと値が損傷することがあります。
放電終止電圧が規定値を超えて蓄電池の端子電圧が規定値以下に下がらないようにしてください。
規定値以下まで放電しますと、蓄電池が損傷することがあります。
5.充電
蓄電池を充電する場合は、次のことを守ってください。
・蓄電池の充電は、専用充電器を使用するか、指定の充電条件を守ってください。 その他の条件で充電すると蓄電池の温度が上がったり、 蓄電池から水素ガスが発生して蓄電池の漏液、火災、爆発および蓄電池性能低下、寿命短縮の原因となります。 |
・充電の設定電圧は、指定の範囲内にあるようにしてください。 指定の範囲を外れると蓄電池の破損、容量低下および寿命短縮の原因になる恐れがあります。 ・蓄電池の+端子と-端子を逆にして充電しないでください。 極性を逆にすると、充電器の破損、蓄電池の火災の原因になる恐れがあります。 |
(1)浮動充電
a)充電器は、①垂下特性を有する自動定電圧装置付きで、
②定電圧精度が±2%以内(負荷変動0~100%において)のものを使用してください。
b)12V蓄電池の蓄電池浮動充電電圧は、蓄電池1個当り13.65Vです。
必ずこの値に設定してください。
例えば、蓄電池2個を直列に接続した場合の総電圧設定値は、13.65×2=27.3Vになります。
c)充電初期電流は、特に制限はありませんが、0.1C(A)~0.2C(A)の場合、
25℃で24時間以内に放電量の100%以上の充電をすることができます。
(2)回復充電
密閉式タイプ蓄電池の回復充電方法は、前項の浮動充電と同じ方法です。
(3)充電での注意事項
a)充電電圧の蓄電池1個当り12V蓄電池の場合13.65Vよりも高く、
充電終期の充電電流が0.05C(A)を越えると、
蓄電池の外観、性能、寿命等に取り返しのつかない損傷を与えることがあります。
充電電圧の設定、維持、管理には十分ご注意ください。
b)浮動充電電圧の高低による蓄電池への影響は次のとおりです。
・長時間高い場合(過充電):寿命が短くなります。
・長時間低い場合(充電不足):負荷を維持できなくなったり、
電池電圧にバラツキが出ることがあります。
蓄電池を多数個直列接続して使用したときの浮動充電での電圧バラツキは、
使用初期は蓄電池12V蓄電池の場合1個当り12.9V~14.8V、
1年点検以降は蓄電池1個当り13.35V~13.95Vの範囲を目安にしてください。
c)浮動充電電圧は一般的な室内使用(5~35℃)では、
12V蓄電池の場合蓄電池1個当り13.65Vですが、
常時、高温または低温になる特殊な環境の場合には、
蓄電池温度による浮動充電電圧の温度補正を行うことが有効です、
これは、低温での回復充電時間の遅れや、
高温での過剰な充電による劣化および熱逸走を防止するためです。
d)充電は、周囲温度が常時35℃以上になる場所で使用される場合には、
電池温度による浮動充電電圧の温度補正機能を充電器に付加してください。
e)UPS等のインバータ機器に使用する場合、
フロート充電中にインバータから蓄電池へ帰還電流が流れ込まないようにしてください。
回路上どうしても避けられない場合は、
リップル電流0.1C(A)(実効値)以下に低減してください。
これ以上のリップル電流がありますと、
蓄電池の寿命が短くなったり、蓄電池が異常に発熱する恐れがあります。
6.天災・地変時の安全性確保に必要な処置
天地・地変時には次のことをご確認ください。
・地震などの天災・地変の後、全ての端子のゆるみがないか確認してください。 ゆるんだ状態で使用するとスパークの原因、端子破損の原因になる恐れがあります。 ・地震などの天災・地変の後、電槽割れ、漏液、その他異常がないか点検してください。 異常のあるまま使用すると漏電や火災の原因になる恐れがあります。 ・再使用前に熟練者又は経験者(蓄電池設備整備資格者など)の指示のもと点検、整備を行ってください。 未熟練者だけでの対応は間違いの原因になる恐れがあります。 |